第6回(平成25年度)辰野千壽教育賞の選考結果
第6回(平成25年度)辰野千壽教育賞選考結果
選考結果
最優秀賞
優秀賞
応募状況
- 応募者数:12人
- 男女別の応募者数:男12人,女0人
- 所属機関別の応募者数:小学校4人,中学校3人,高等学校3人,特別支援学校1人,その他1人
受賞者の声
最優秀賞受賞:白井 一夫 様
- この度は,栄えある辰野千壽教育賞をいただくことができ,大変にうれしく思います。
- 私は1994年から1996年,上越教育大学大学院に派遣になり,障害児教育講座(当時)の指導教員のもとで,聴覚障害生徒の思春期の問題について研究させていただきました。当時は,この分野では思春期を扱う日本の研究が少なく,泣く泣く英語の文献を読んだことを懐かしく思い出します。また,在学中に見学してきたアメリカの聾学校の状況は,その後の自分の実践の糧となり,指針となりました。
- 「難聴中学生の支援」というフィールドに自分の問題意識を限って,この20年間実践しながら,あちこちで報告したり本を作ったりという活動を続けてきました。揺れ動く思春期の子どもの心を引き受けながら,支援の内容と方途を探り,そのために必要なシステム構築を図る,この繰り返しでした。
- これからも,この一筋の道を守りながら精進したいと思います。本当にありがとうございました。
優秀賞受賞:矢田 敦之 様
- 第6回辰野千壽教育賞優秀賞の受賞に大変感激しています。
- 子どもたちを「算数好き」にしたいという感情と,それには「教材」が重要とする理念を反映した,今回の受賞の対象研究(「児童の算数科におけるsense-makingを基盤とする理解及び好意性に関する研究」)は,ここ10年程の算数教育の実践・研究を集約したものです。本研究の基盤は,鳴門教育大学大学院にて先生方のご指導によって構築されました。また,勤務校をはじめ,高知県民間教育研究団体である土佐教育研究会算数・数学部会やこれに属する安芸支部算数学習会の活動を通し,実証的研究を重ねることができました。
- 長年,研究活動を共にする会員と指導助言の高知大学数学教育の先生方,先進的な数学教育の実践を示唆される高知県中学校の先生方に,この場をお借りしてお礼を申し上げます。上越教育大学関係者の皆様から得た評価を励みに,今後も算数教育の実践研究を継続したいと考えています。
優秀賞受賞:金城 満 様
- この度,栄誉ある辰野千壽教育賞優秀賞を受賞できましたことを大変光栄に思います。また同時に感謝申し上げます。
- 本研究は,筆者の中学校と高校での美術教師としての発見や思考から,連続性のある5つの実践をもとに行いました。題材や手法は異なっても,根底に流れている共通のテーマを抽出し検証する試みです。いずれの実践も学校教育の教科の範囲で美術を捉えさせるのではなく,生涯を通して自己や社会を見つめ,表現するための手段と位置づけて行ったものです。表現を介在させる事で促される美術的思考力により,はじめて見えてくるもの,感じるもの,聞こえるものを「家族」「病」「命」「平和」をキーワードに行った研究です。
- 今後もこの賞を励みに,表現と美術的思考力の育成についての研究を行い,新たな実践を継続していきたいと考えています。
辰野千壽教育賞の授与
- 9月27日(金)に,初代学長の辰野千壽先生,選考会議に学外有識者として参画いただいた(財)教育調査研究所理事長の新井郁男様,新潟工科大学教授の髙田喜久司様から御出席をいただき,第6回辰野千壽教育賞授与式を開催しました。
- 当日は,優秀賞を受賞された矢田敦之氏(高知県安芸郡芸西村立芸西小学校教諭),金城満氏(沖縄県立浦添工業高等学校教諭)にその栄誉を讃え,賞状を授与するとともに,副賞を贈呈しました。なお,最優秀賞を受賞した白井一夫氏(新潟県立新潟聾学校教諭)は校務のため欠席されましたが,前日に賞状を授与し,副賞を贈呈しました。
前列左から,新井郁男様,辰野千壽先生,矢田敦之氏,金城満氏,佐藤芳德学長,髙田喜久司様
後列左から,立屋敷かおる理事,後藤丹教授,瀬戸健教授,松田愼也教授,本田政則理事
最優秀賞の白井一夫氏