第5回(平成24年度)辰野千壽教育賞の選考結果
第5回(平成24年度)辰野千壽教育賞選考結果
選考結果
最優秀賞
優秀賞
応募状況
- 応募者数:19人
- 男女別の応募者数:男18人,女1人
- 所属機関別の応募者数:小学校4人,中学校6人,高等学校6人,特別支援学校2人,その他1人
受賞者の声
最優秀賞受賞:竹田 和夫 様
- このたび,第5回辰野千壽教育賞最優秀賞を受賞でき,大変感動しております。
- 大学での学びを見通し,中学・高校・大学という異なる校種を貫き,生徒・教師双方がどうつながるべきか,日本や外国の動向を整理し,自身で教育現場での課題を設定し,11年間全力で実践してきました。大学の非常勤講師をつとめながら,本務の新潟南高校では高大の接続,現在の新潟向陽高校では中学との接続も意識するようになりました。
- しかし,なかなか教育界や社会では理解を得られず,正直むなしくなることがありました。そうした中でも,中高大を通した若者への教育実践に共鳴してくださる先生方から励ましと教示をいただきました。また,教え子たちの意見交換も高校授業・大学講義での実践の見直しにつながりました。
- お世話になった方々に感謝すると同時に今後は現在でも国レベルで始まった高大接続の新しい論議に現場から寄与し,本当の接続を達成できるようさらに精進努力を重ねたいと思います。
優秀賞受賞:青木 善治 様
- このたび,栄誉ある辰野千壽教育賞を受賞できましたことを大変嬉しく思っております。
- 1988年に学部を卒業し,1997年に大学院で「美術教育」に関する研究を本格的に始めて以来,決して子どもから離れず,子どもの学びを追究するように努めて参りました。当時の指導教官をはじめ,多くの子どもたちや仲間の皆様から大変多くのことを学ばせていただきました。また,2001年からは国立大学附属小学校でも大変多くのことを学ばせていただきました。ありがとうございました。
- 子どもを一元的な尺度で見るのではなく,思わず見とれるような身体でかかわり合っていくことの大切さ。一体どのような眼差しで子どもに接しているのか,十分に留意していきたいと感じております。
- そして,いつまでも子どもたち一人一人を見習って柔軟な身体や感覚を取り戻し,謙虚に生き合いながら,私自身も含め,教師自身も変容し続けていくことのできる職員集団をつくり続けていきたいと感じています。
優秀賞受賞:新福 悦郎 様
- この度,第5回辰野千壽教育賞を受賞できましたことを大変光栄に思います。また同時に感謝申し上げます。
- 「研究を10年やり続ければ,その成果は発揮できる」-研究の指導教官のアドバイスでした。疑問と不安を感じながらも,いじめ判決書教材を活用した授業を実践し,感想文をとり続け,14年間地道に研究を続けてきました。「実践的研究者」としてこの授業の効果を明らかにしようと努力してきましたが,まさしく10年目近くになって,自分の研究に自信が持てるようになりました。
- この受賞は,自分自身の力だけではなく,恩師の励ましと何度もくじけそうになった時に支えてくれた研究仲間の支えのおかげだと思っています。この賞を励みにして,今後もいじめ問題を対象にした研究を,地道にそして謙虚に続けてまいりたいと思います。
優秀賞受賞:西澤 国之 様
- 辰野千壽教育賞の優秀賞をいただき,心より感謝いたします。
- 私は担当する「造園デザイン」教育で,生徒と一緒に地域の課題を学び,その解決に取り組んできました。生徒は,地元の須坂市臥竜公園や庭園改修計画の依頼を受けた市内小学校・長野県庁舎庭園などの身近な庭園の景観上の問題を知り,解決するプランを自ら練り上げ,施工実習を行うことにより,目の輝きが増してきました。
- この実践を生かし,自信を持って各種設計コンクールに挑戦し,全国造園デザインコンクールでは6年連続文部科学大臣賞を受賞するなど,成果を上げています。現在,生徒が「やればできる」という自信を得て進路決定し,毎年のように国立大学へ進む生徒や,多くの生徒が高校卒業後,造園会社へ入り活躍しています。業界のご指導により「技能五輪全国大会選手」も育っています。
- 今回の受賞の栄誉に恥じることがないよう,今後も学習意欲を高める指導を継続していきたいと考えています。
辰野千壽教育賞の授与
- 9月28日(金)に,初代学長の辰野千壽先生,選考会議に学外有識者として参画いただいた(財)教育調査研究所理事長の新井郁男様,新潟工科大学教授の髙田喜久司様から御出席をいただき,第5回辰野千壽教育賞授与式を開催しました。
- 当日は,優秀賞を受賞された青木善治氏(新潟県阿賀野市立笹岡小学校教頭),新福悦郎氏(鹿児島県いちき串木野市立串木野中学校教諭),西澤国之氏(長野県須坂園芸高等学校教諭)にその栄誉を讃え,賞状を授与するとともに,副賞を贈呈しました。なお,最優秀賞を受賞した竹田和夫氏(新潟県立新潟向陽高等学校教諭)は校務のため欠席されましたが,前日に賞状を授与し,副賞を贈呈しました。
前列左から,新井郁男様,辰野千壽先生,新福悦郎氏,青木善治氏,西澤国之氏,若井彌一学長,髙田喜久司様
後列左から,戸北凱惟理事,西村俊夫教授,廣瀬裕一教授,川村知行教授,佐藤芳德副学長
若井学長から表彰される最優秀賞の竹田和夫氏