ホーム > 活動の軌跡 > 創立30周年。新たな挑戦へ(第5代上越教育大学長 渡邉 隆) > 学長式辞
上越教育大学は,本日ここに,創立30年を迎えることになりました。
多くの来賓の方々をお迎えし,30周年の式典を挙行できますことは私たちの大きな喜びでございます。深く感謝申し上げます。
本学は,昭和53年10月1日に,我が国の教育系大学及び学部が築き上げてきた教員養成のこれまでの成果に立脚して,更なる教育者としての新たな時代的かつ社会的要請に応えた高度な資質能力の育成を目指して創設されました。
本学は,初等教育教員の養成を行う学校教育学部と大学院学校教育研究科(修士課程)を備えています。
学校教育学部の教育課程では,特に教育実習の拡充に重点を置いた本学独自の内容と方法をもっており,本学卒業生の実践的指導力は高く評価されております。
また,大学院学校教育研究科では,初等中等教育教員に高度の学習と研究の機会を与え,その理論的・実践的指導力の向上は注目を浴びております。
加えて,平成8年4月1日には,教員養成系大学・学部として初めて,本学と他3大学を構成大学とする「兵庫教育大学大学院連合学校教育学研究科(博士課程)」が,設置されました。この博士課程の設置をもって,上越教育大学は,学部,大学院修士課程と博士課程で学べる「教育の総合大学としての体制」を整え,今日に至っています。
平成16年には国立大学が法人化され,これにより,本学も国立大学法人として出発したのです。法人化に伴い,大学には,教育・研究に加えて経営能力が問われ,大学教職員には,意識改革が求められています。
このような大学制度の変革が激しく行われる一方で,学校現場では,解決すべき課題が,ますます多様化・複雑化する傾向にあります。こうした教育問題の解決に向けて我が国の教員養成系大学・学部には大きな期待が寄せられています。このような期待に応えるため,本年4月,大学院学校教育研究科に,専門職学位課程として教職大学院をスタートさせました。現職教員を対象にしたスクールリーダーの養成と即戦力新人教員の養成を目的としたものです。
あわせて,これまでに培ってきた本学の知的財産を開放するとともに,サテライト講座の新設,出前授業,講演会,公開講座,などを通じて地域との密接な連携をさらに深めてまいろうとしています。
本学は,この30年を通して,教育者の養成と現職教員に研鑽の場を提供することを行いながら,常に教育者養成プログラムの質的向上を目指して参りました。それは,教育現場とのたゆみない連携を通して行われたものです。
この30年の歴史を端的に表現すれば,「教育実習の充実」から「教育の実践学」,そして「臨床的教育」へと教師教育プログラムを質的に変革してきたということです。
本日ここに,改めて建学の理念を思い起こし,これまでの発展の足跡を振り返り,更なる飛躍の契機にいたしたいと思います。
最後に,本日のご列席に,御礼を申し上げますとともに,今後とも本学の益々の発展のため特段の御協力を賜りますよう,お願い申し上げ,式辞と致します。
平成20年10月4日
上越教育大学長 渡邉 隆
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