12月に入りました。
新型コロナウイルス感染者数も、日本では減り始めていて、少しずつ日常生活が戻ってきているようです。私も、これまで県外に出かける出張は控えていましたが、10月には、石川県の大学へご挨拶に伺いました。11月には、国立大学協会の通常総会が東京で開催され、これまではZoomでやりとりをしていた方々と、対面で話をすることができました。11月末には、埼玉県の入間地区PTAの集まりで対面で講演をさせていただきました。
子どもたちを集めてキャンパス内で行われている学びのひろばも活動が再開しています。参加している学生さん、ご指導いただいている先生方には感謝申し上げます。
このまま新型コロナウイルスの広がりが収束すればよいのですが、しかし、新たな変異株のオミクロン株が世界中に広がりつつあるようです。これまで以上に感染力が強いと報道されていますので、注意を怠ることなく、手指の消毒やマスク着用、三密を避けることなどを続けていただきたいと思います。
これから冬を迎えることになります。新型コロナウイルス感染症だけではなく、季節性インフルエンザの流行もあるかもしれません。また、昨シーズンの冬は大雪で交通が遮断されました。私も、車を出せず、10日間ほど、スキーウェアを着込んで徒歩で大学に通いました。
今年入学された皆さんは、こういう話を聞くと驚くかもしれません。皆さんを驚かせたいわけではありません。しかし、「備えあれば憂いなし」です。吹雪の日に出歩かなくてもよいように、日持ちする食料品(インスタントラーメンや缶詰など)を少しばかり買い込んでおいてはどうでしょうか。
厳しい冬の後には、春が待っています。「冬来たりなば、春遠からじ」ということわざもあります。
これはイギリスの詩人シェリーの詩「西風に寄せる歌」の一節If Winter comes, can Spring be far behind ?に由来するものだそうです。原詩では、「?」が付いています。西風に問いかけているのでしょうか。この詩が書かれた頃には、イギリスでピータールーの大虐殺なども起こっており、単純に季節の移ろいをうたっただけのものではなさそうです。社会の変化を季節の移ろいに重ねているようです。
さて、今年1年を振り返ってみれば、激動の年でした。4月以降は、新任の学長として仕事をしてきましたが、ほんとうに厳しい9ヶ月でした。昨年度と同様に新型コロナウイルス感染症への対応が求められ、とりわけ教育実習期間中の感染対策について、私はずっと不安な気持ちを抱えていました。今もボランティアや大学院の学校実習で学校現場に入っている学生さんはいると思いますが、感染者が出れば止めなければならないという不安な気持ちは続いています。学生の皆さんはどう感じているのでしょうか。私と同様に、不安な気持ちを抱えていた方はたくさんいたのではないかと思います。また、アルバイトなどもできずに、経済的な不安を抱えていた方々もいたでしょうから、私以上の大きな不安を感じていたかもしれません。大学として至らない点はお詫びをし、今後もさまざまな対応・対策を考えていきたいと思います。
どんな問題が生じようとも、大学は教育研究機関としてのミッションを果たすことが求められます。しかし、大学として教育機会の提供はできても、実際に学ぶのは学生さん自身です。学生さんの「エージェンシー」(OECDが出した今後の教育に関するキーワードです。ぜひ調べてみてください)がなければ、学びは成立しません。と同時に、「啐啄同時」というような熟語もあります。教職員も学生の皆さんの学びを支援し続けます。上越教育大学に連なる全員が一丸となって教育研究に取り組んでいきましょう。令和3年も残すところあとわずかとなりました。年明けには、また元気な姿で皆様とお会いできることを心より願っております。
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