みなさん、こんにちは。学生、教職員の皆さんに対しては、今後このJ-style通信の場を通じて、月1回程度のペースでメッセージなどをお伝えしていきたいと考えています。
さて、新型コロナ感染症の勢いはなかなかおさまりません。ワクチン接種も政府の思惑通りには進んでいないようです。職域接種の提案があった際には、打ち手の医師の確保など、本学のような小さな組織には難しい事柄が求められ、断念せざるをえませんでした。その後、上越市より提案のあった集団接種はとてもありがたいと思いましたが、国からワクチンが届かないということで、中止になりました。現在は、接種を希望する本学の学生、教職員の皆さんには、大規模ワクチン接種会場「ユートピアくびき希望館」で受けていただく予定です。
この間、さまざまなご意見が私のもとにも届いておりました。教育実習や学校実習のことを考えると、学校現場で子どもたちに感染させないように受けていただきたいと私は思っておりますが、一方で「強制か?」と問われれば、強制されるべきものではありません。ワクチン接種についてもさまざまなお考えがあるだろうと思いますし、受けたいと思っても、アナフィラキシー反応が出る可能性が高くて受けられないという方もいらっしゃることでしょう。さまざまな情報を確認して、最終的にはご自身で判断をしていただきたいと思っています。
ところで、6月13日(日)に、いきいき春日野ふれあいコンサートにお招きをいただき、参加しました。地域の方々が主催する音楽イベントで、春日小学校の有志の子どもたち、高志小学校6年の特設音楽部、春日中吹奏楽部、同合唱部、そして、上越教育大学混成合唱団および吹奏楽団が、合唱や演奏を披露しました。学校種の異なるこの地域の子どもや若者たちが集うこうした集まりはあまりないのではないかと思いますし、小学生や中学生が大学生の合唱や演奏を聴いて「音楽を続けたいという思いを口にする子もいる」とお聞きし、とてもすばらしいイベントだと思いました。また、本学の大学生の皆さん(いっしょに活動されている新潟県立看護大学の学生さんも含めて)は準備のお手伝いもしているとお聞きし、とても誇らしい気持ちになりました。
7月10日(土)には、県立看護大学で開催された看護大・上教大連携公開講座「長寿の秘訣!~健康で豊かに生きる~」に参加しました。看護大学からは小林綾子先生、大口洋子先生、本学からは、光永伸一郎先生、池川茂樹先生が、それぞれの専門のお立場から、健康に生きる秘訣をわかりやすく説明してくださいました。私は、閉会のご挨拶をさせていただきました。
先に、新型コロナ感染症への対応について書きました。グローバル化が進む現代社会において、こうした感染症の危険性はますます高くなっていくことが予想されます。そうしたことへの対応を報道で見聞きすると、地域の実情に合わせて各地域が工夫をしている様子がうかがえます。高齢者へのワクチン接種の手続きは、情報端末を十分には使いこなせない高齢者にとっては混乱を招くものであったようですが、上越市では、日時を機械的に割り振って通知したようで、好事例として報道されました。
このような状況を見て私が思うのは、グローバル化の時代においても、地域社会の在り様が重要だということです。もちろん、グローバル化も重要です。本学においても、留学生の受け入れなどに力を入れていくべきことは、言うまでもないでしょう。しかし、この地域の子どもたちの教育は、この地域から始まります。本学の学生の演奏や合唱を聴いた子どもたちの中から、世界で活躍する音楽家が出ないともかぎりません。そして、地域の大人は、本学の学生も含めて、子どもたちにとっての人生のモデルです。幅広い年齢のそれぞれの段階で、モデルとしての役割があるのではないでしょうか。
多くの本学関係者がすでに地域社会の中で尽力されていることに感謝申し上げるとともに、今後も、教育大学として可能な地域創生について考え、取り組んでいきたいと思います。ぜひご協力をお願いいたします。
令和3年7月13日
学長 林 泰成
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